皆さんは嫌な夢を観た後に「夢でよかった…」と感じたことってありますか?それは本当に夢だったのでしょうか?もしかしたらその悪夢の方が現実で……、なんて言い出したらきりがないですね。今回は、現実世界と精神の世界、一体どちらがストーリーの本筋なのか混乱してしまいそうな映画を三つご紹介します!
『エンジェルウォーズ(2011)』
監督は『300』や『ウォッチメン』で有名なザック・スナイダー。
主人公のベイビードールはとある理由から強制的に施設に入れられてしまいます。彼女は暗い現実から逃避するため想像の世界を自ら創り出すのですがなぜかその世界から出られなくなってしまい、彼女は現実世界への生還を賭けて戦うことを決意するのですが……。
正直自分でもあらすじを書いてる時点で“何を言ってるのか分からねーと思うが…”という心境になってしまいました。舞台が精神病棟や戦場など目まぐるしく変化していき、何が現実なのか分からなくなってしまいます。しかし、セーラー服を来た美少女戦士が日本刀を振り回し、銃をぶっ放すアクションシーンの数々は「さすがザック・スナイダー…」とうなってしまうような出来栄えです!
『パプリカ(2006)』
監督は世界に影響を与えたアニメ映画監督の今敏。原作は筒井康隆の同名小説。
千葉敦子(パプリカ)は、時田浩作の発明した夢を共有する装置DCミニを用い他者の夢に入り込み問題を解決するサイコセラピスト。ある日、DCミニが盗まれてしまい、他人に悪夢を見せ精神を崩壊させるという事件が発生してしまいます。敦子は事件解決のために動き出すのですが……。
夢を描いた作品は沢山ありますが、夢特有の“つじつまが合わない気持ちの悪さ”、“意味不明さ”を一番よく描けている作品は本作だと思います。圧倒的な映像美で描かれる不気味ながらも絢爛豪華な夢の世界。夢の中の住人が放つ辻褄の合わない意味不明なセリフの数々。好き嫌いがはっきり分かれる作品ですが、日本が世界に誇る“ジャパニメーション”の代表的な作品なので一見の価値ありです!
『パンズ・ラビリンス(2006)』
監督は第90回アカデミー賞作品賞を見事受賞したギレルモ・デル・トロ。
舞台は内戦が終結したもののまだまだきな臭い雰囲気が漂う1994年のスペイン。山奥では軍側と、将軍の圧政に反発するゲリラたちがにらみ合いを続けています。そんな中、母親が軍人と再婚したことを機に山奥にやってきた少女オフェリア。彼女はある日突然不思議な迷宮(ラビリンス)に迷い込んでしまいます。
決して“夢”や“希望”にあふれる短絡的なファンタジー映画ではありません。幻想的でダークな迷宮の世界、そして、血なまぐさい現実の世界。この二つの世界がリンクし、見る者の心を切なく打ちのめします…。ギレルモ・デル・トロらしい不気味ながらもどこか魅力的なクリーチャーも多数登場します!ダークファンタジー、並びに『シェイプ・オブ・ウォーター』をきっかけに「ギレルモ・デル・トロにはまり始めた!」という方におススメの作品です。
総括!!
妄想や夢が創り出す幻想的で不可解な世界。それらは一見意味不明で混沌としたものなのですが、現実や精神状態をうつす鏡になっているのかもしれませんね。紹介した映画で描かれる幻想的なシーンの数々も物語を紐解く重要な手掛かりとなっています!色々と考察するのもオモシロいかもしれませんね!
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