今回は、俳優、そして監督としても大きな成功を収めているクリント・イーストウッドが手掛けた作品を、実在のミュージシャンたちのヒストリーを映像化した“音楽伝記映画”に絞ってご紹介します!!
『ジャージー・ボーイズ (2014)』
トニー賞(アメリカのミュージカル、演劇を対象とした栄誉ある賞)を受賞した同名ミュージカルを映画化した作品。ロック、そしてポップスのバンドとして世界的な成功を収めたグループ“フォー・シーズンズ”の誕生から成功、解散をストーリーとしています。
“フォー・シーズンズ”の要であるボーカル、フランキー・ヴァリは「Can’t take my eye’s off you(邦題:君の瞳に恋してる)」で有名ですね。
ニュージャージー州の貧しい地区に生まれた4人の若者。その内の一人フランキー・ヴァリは天性の歌声を持っていました。彼らはバンドを結成し、ありとあらゆるコネをたどり成功をつかみ取るのですが……。
私が鑑賞した際、フォー・シーズンズが成功をつかみ取るまでは正直ありきたりのアメリカンドリームものだなぁ、くらいの感想しか抱けませんでしが、前半早々に成功を掴んでしまった彼らは……。人生ってホントにどうなるか分からないもんですよね……。
劇中を彩る名曲の数々もさることながら、登場人物が劇中の本筋から逸れて、急に独白を始めるなどの斬新な演出も魅力的な一作です
『バード(1988)』
ジャズの形態の一つである“ビバップ”を創始したジャズサックス奏者チャーリー・パーカーの壮絶な人生を描いた伝記映画。
物語は、自殺を図り精神病棟に入れられたバード(チャーリー・パーカーの愛称)が過去を振り返るというシーンから始まります。ニューヨークでビバップを創始し、成功したバードは西部へと進出。しかし、西部ではビバップは受け入れられず、終いには既存のジャズ形態を脅かす“侵略者”扱いを受けてしまいます。ショックを受けたバードは酒浸りになってしまい……。
成功と転落を繰り返すバードの哀愁漂う一作。
クリント・イーストウッドはジャズ愛好家として有名で、そののめり込みっぷりは自ら作曲を行うほど。本作からは彼のジャズへの深いこだわりと、愛情が感じられます。
>総括!!
以上、クリント・イーストウッドが手掛けた“音楽伝記映画”を二作ご紹介しました!
今回ご紹介した二作品はどちらも、“成功”、そして“転落”に弄ばれた人々の人生の顛末を描いた作品でもあります。この点は、音楽関連の作品以外でもイーストウッド作品に通していえるような気がしますね。音楽に興味がない方でも、映画を通して人生を見つめ直したいという方におススメの作品です。