アメコミ映画といえば、ある程度パターンが決まっちゃってますよね。
ある日突然スーパーパワー手に入れた主人公が平和を脅かすヴィラン(悪役)と戦ったり、愛する人を殺された主人公が不屈の精神で鍛錬を積み治安を乱す犯罪者と戦ったり……。ある程度、アメコミを知っている方なら先が読めっちゃったりするもんです。
「ちょっと方向性の違うストーリーを楽しみたいなぁ…」という人のため、アメコミとしては異色のストーリーや世界観を持つ映画を3つご紹介します!!
『ウォッチメン(2009)』
原作アラン・ムーア、監督ザック・スナイダー。この組み合わせは『300 スリーハンドレット』を手掛けたタッグとして知られています。
この作品の舞台となる冷戦中のアメリカはベトナム戦争にも勝利し、ニクソン大統領が三選を果たしているという設定。ケネディ暗殺やベトナム戦争、デモ鎮圧やウォーターゲート事件など歴史的な事件にはすべて裏で一部のヒーローが絡んでおり、ニクソン政権は盤石の状態にあります。そんな中、ニクソン政権ともっとも癒着していたヒーロー“コメディアン”が何者かに襲撃され彼は死亡……、かつての仲間たちはこの事件を境にそれぞれ動き始めるのですが……。
過激なバイオレンス描写や、あまりにも濃ゆい政治色のため20年近く実写化不可能とされてきた原作を、ザック・スナイダー監督が原作よりも鮮烈に、過激に映像化した作品です。
アメリカの問題の数々を浮き彫りにしている本作は、大国アメリカを知る有効な手掛かりとなるかもしれません。
『Vフォー・ヴェンデッタ(2005)』
こちらも原作はアラン・ムーア。アメリカ・ドイツ・イギリスの合作映画。制作・脚本はあの『マトリックス』シリーズを手掛けたウシャウスキー兄弟。
第三次世界大戦後、アメリカは崩壊、世界は独裁者アダム・サトラーが治めるイングランドによって支配されています。
表現の自由や同性愛の禁止、夜間外出の禁止などあらゆる自由が制限されているイングランド。そこで暮らすイヴィー(ナタリー・ポートマン)はある晩、秘密警察に襲われそうになってしまいます。そこにガイ・フォークス(1600年代に起きた火薬陰謀事件の実行犯とされる人物)の仮面を被った黒ずくめの男“V”が現れ、華麗な剣捌きで警察官たちを撃退し、そのまま彼はイヴィーの目の前で爆破テロを敢行するのですが、現場に居合わせた彼女までもが容疑者扱いされてしまい……。
独裁者の圧政に疑問を感じながらも、処罰を恐れるあまりダンマリを決め込む国民たちが、だんだんと“V”に感化され国を一変させていくさまは爽快の一言!自分の意思を表すことの難しさ、重要性を再認識させてくれる一作です。
『コンスタンティン(2005)』
主演はキアヌ・リーブス。
世界は天国、人間界、地獄の三つに分かれており、それぞれが干渉しないことで均衡が成り立っていました。主人公のコンスタンティンは悪魔祓いを生業とする私立探偵。彼は15歳から一日30本ものタバコを吸い、すでに余命一年を宣告されています。さらには、幼い頃彼は自ら命を絶とうとした経験があり、死後地獄行きが決定していました。コンスタンティンはある日、少女にとりついていた悪魔が人間界に侵入しようとする姿を発見します。世界の均衡が崩れようとしている兆しだと感じた彼は、天国行きを目指し世界の均衡を保とうと奔走するのですが……。
宗教色がかなり強く、キリスト教特有の“悪魔”、“堕天使”、“ルシファー”などの単語が飛び交います。コンスタンティンの設定は、ヘビースモーカーで余命幾ばくもないひねくれもの、という中々見ない設定(アイアンマンはコミックスでアル中になったりしてましたが……)。
コンスタンティンの武器も十字架型のショットガンや、キリスト教のありがたいお言葉が彫られたメリケンサックなど厨二臭さ満点のものばかりでとっても魅力的です! 笑。
ハードボイルドで厨二くさいアクション映画をお求めの方におススメです!
>総括!!
以上、異色のアメコミ映画を三つご紹介しました!紹介した三つの作品の原作はどれもDCコミックス関連のもの。DCコミックスを代表するヒーロー『バットマン』もヘビーでシリアスな話が多いですね。
個人的にマーヴェル=正統派、DCコミックス=裏と表がある、というような印象です!
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