『ルパン三世　ルパンvs複製人間　』を語ろう【マモー】

いきなり絞首刑はインパクトあった

不二子がルパンに、惚れてると分かる描写が最近のルパンにはないな。

前半で散々酷い目に遭わせといて
いざマモーに迫られたら
「ルパンと一緒じゃなきゃゴメンだわ。
そりゃあ永遠の若さは欲しいわ。
でも、あたしヨボヨボルパンを見たくないもの。」
まさにアメとムチだな。

キャラクターにぶれがない。危なっかしくない。
あれ？って思うようなことを言っていても、それには裏があるとか。
キャラのアイデンティティが確立してると感じられる演出。
安心してドラマを楽しめる。

やっぱり劇場版では複製が一番好き
別格と言ってもいいくらい

ルパコナは面白かったけどあれはやっぱり別物だよなぁ

声優さん達も、この頃はみんな元気だったな

2ndは子供向けになったのに複製は完全に大人向けのテーマだったな
冒頭の絞首刑なんか子供泣きそう

声優さん達が元気な時に、これだけの傑作ができたのを嬉しく思う。

初期のテレビSPのバイバイリバティー、ヘミングウェイペーパーの二作は長編ルパンの中でも評価が高いけど、山田さんの声が劣化してるのが残念

この映画、制作は新ルの時期だが内容は旧ル前期の集大成だとおもた
ちなみに旧ル後期の集大成がカリ城

複製人間は1st回帰の企画として作られた映画だから当然だろ
カリオストロみたいに歳くったルパンとかスカしたこと一切してないし

ルパン音頭の脱力感は異常
よくスポーツ選手が本番前に音楽聴いて集中力高めてるけど
ルパン音頭聴かせたら成績がどうなるか試したい
いい感じに肩の力が抜けて好成績出るかも

ルパン音頭がルパンの主題歌で最もルパンぽい歌詞だと思う

あんな巨大な脳味噌を積んだ宇宙ロケットを破壊したラストで
エンディングが音頭ってのがギャップあって良かった

ルパン音頭は最初「！？」だったけど今はもうあれ以外考えられないな
観た人全員に「なんかまあいろいろあったけど面白かったよな！」と思わせてくれる名曲

映画の中盤で、マモーが機械を使ってルパンの頭脳の中を覗くシーンがある。
マモーは、ルパンの本質は下劣な人間にすぎない事を証明しようとしたのだ。
そこでも“夢”という言葉が出てくる。
ルパンの頭の中は、女の裸の事ばかりだった。
だが、その深層意識には何もない。空間、虚無。
なんという事だ。ルパンは夢を見ない。
それは白痴の、あるいは神の意識にほかならない。
マモーは驚き、おそらくは嫉妬し、ルパンを殺そうとする。
これは非常に重要な描写だ。

この映画の評価すべき点は
登場人物5人の距離感を上手く保ってた事だな。

カーチェイスで崖ななめに登ったり
ルパンが小道具作ってる複線があったり
ぶらさがって落ちそうなとこを懸垂で耐えたり
二人並んでコミカルにピョンピョン走ったりとか
かなりカリ城にパクられてるな
つまらぬものを斬ったもそうだし

マモーの言ってた、「私が人類に飢餓や戦争を与えてやった。歴史は私の干渉で、できている」というのは本当なのだろうか？

マモーが焼け死んだ後、ルパンがマモーは世界中を騙したペテン師と言ってたから、

マモーが自分の思いのままに、人類の歴史を作ったというのが、本当なのか、嘘なのか分からん。

「本物」かもしれないし「誇大妄想狂」かもしれない
その曖昧さもまた魅力

神を名乗る男、マモー。マモー以上にスケールの大きい敵はなかなか作れないな。

映画第一作で、マモーを出されて、その後、ルパンの脚本を書いた人は苦労してそうだ。

カリオストロ伯爵、スコーピオンのボス、パイカル、キラーインキラーズ、魔毛狂介・・・
米ソ首脳を脅迫するマモーはスケールが大きいな

マモーは考え抜かれた強敵だからなあ
強大な力を持ってるのにもがいてる人間臭さも素晴らしい

今さら世界征服狙ってる敵が出て来ても小物に見える
あとはもうドラマにするなら過去のしがらみとか
エンターテイメントにするなら単なる頭のおかしい富豪とかしかないなあ

永遠の命を続けつつも限界を感じ１００何代目をオリジナルマモーとし
永遠の命を模索し加えて不二子に惚れる一人の男になり、ルパンの神性に嫉妬し（ルパンの価値と危険性を誰よりも知った）
地球など滅ぼしてなお生きようと不死の国目指して宇宙に飛び（不二子と行きたかったようだ）
最後はルパンに「マモーお前はやっと死ねたんだ」と言わしめた
利己的ではあるが生きる活力と行動力はルパン並だった

この映画のルパンは不二子、次元、五右衛門、銭形のレギュラーメンバー全員から愛されてるな

貴様の骨にこの手で戒名刻んでやる！

＞貴様の骨にこの手で戒名刻んでやる！
銭形らしい台詞なんだけど字面だけ見るとスゲエ言葉ｗコワッ

銭形は笑われ役だったけど台詞は印象的なのが多かった

最近のルパンには、不二子がルパンに惚れてることが分かる描写がないね。

複製人間では、ルパンと不二子が互いに惚れてるのは分かるけど、肉体関係はなさそうだな。

カリ城以降ふたりは別れた夫婦みたいな感じだね
多分最近の制作スタッフは不二子がどうしてルパンに惚れたのかも考えたこと無いんじゃないかな

原作じゃ普通に肉体関係あるし、40年前にボツになった劇場版のシナリオでも
冒頭からバスルームでいたしてるんだけどなあ

今は子供にも知られてるからそういうシーンは描かないんだろうし
今さら面倒臭いし、その件に触れるのは野暮なことなのかも知れない

これが映画一作目なのが凄いな～。
ストーリーも絵もルパンの目もマモーのキャラも全部好きだわ

冒頭のコピーのルパンが処刑されてピラミッドの中で次元の問いにルパンが
「そのうちなんとかするわ」ってアバウトさ（でも必ずけじめをつけるからなという凄みも感じる）が昭和っぽくて好きだな

名ゼリフ目白押し、イチイチが渋くて軽やかでかっこいいよね

「感謝しなマモー。やっと死ねるんだ」

世界に絶大な影響力を行使できる大物であり、ルパンを手玉にとった最大の敵。
そして怪物とも呼べる姿に変貌してなお不死を追い求めた男に対する葬送の言葉として、憐れみも皮肉も敬意もある様に感じる。

五右衛門は斬鉄剣折られて、次元はマグナムで撃ち殺した相手が
クローン技術で現われた事で心折られて
たった一人でマモーに向かっていくルパンという演出も良かったな

焼けただれたマモーから漂う異臭に、不二子が顔をしかめるシーンとか
今では、ちょっとリアル過ぎて無理そうな表現が満載だけど、そこがいい

マモーは目の対角線の窪みがリアル過ぎるんだ
あのキャラデザインをした人の脳内はどうなっているんだ

確かにあの目のデザインは気持ち悪いなｗだから良いんだけど
マモーのモデルはファントム・オブ・パラダイスのスワンらしく
異様に目がデカイのはサングラスのサイズごと目にしたからなのかも

ガキの頃は旧の後半とカリ城や新の宮崎回命だったのが、オッサンになったら旧の前半とかマモーみたいな渋いのが好みに変わった
次元のも良かった

この映画見ると、ルパンにとって相棒と呼べるのは、次元だけなんだなと思う。

そんな事はない
それだったら斬鉄剣の成れの果てをいつまでも持ってたりしない

行くなルパンっ！
カッコいいな

ルパンが取り戻したい「夢」＝（マモーに介入されない）人類の未来
だと、ちょっとヒーロー的思考になり過ぎだろうか
でも形のある物（＝不二子）じゃないとすればそういう形のない物しかないような

吉川がインタビューで
ルパンは究極の個人主義者でなんの理想も持ってない人｡刹那的に欲望に従って生きてるっつてるから
そんな人類の未来が～みたいな崇高な考えは無いんじゃね

取り返す「夢」ってのはルパン自身だと思う
マモーに自分の存在そのものを否定されそうになって、いや自分はクローンじゃなく本物のルパンだと証明しに立ち向かうわけだし
その前にルパンが夢を見ないって分かるシーンもこれのメタファーだと思う

だからEDのルパン音頭もルパン三世らしいただの外し演出に見えて
歌詞の初めで「俺はルパンだぞ」って、改めてルパンが自分を取り戻したことを歌ってるわけだから凄い