休日に、適当に10本ほど映画DVDを借りてきて、見たんですけど、そのうちの一本がソナチネ。
で、借りてきた10本のうち、もう一度見てみたいなと一番思ったのがソナチネだったんです。
で、何でだろうって自分でも不思議に思って。
だって、たいしたストーリーじゃないんですよね。
やくざがだまされて沖縄に行って殺されていくって言うだけの映画。復習もあるけど。
でも、見終わったときの呆然感がすごかった。
なんかとんでもないもの見ちゃった感じがして。
で、どこのシーンがいいんだろうって見直したらまた見ちゃった。
とにかく日常をいきなり切り裂いてやってくる死と言う非日常。そしてまた淡々と日常が続く。
このみょうな緊張感。これがすごかった。
ふざけてるときのたけちゃんは、たけちゃんまんとか、がんばるまんをいびるときのたけちゃんに近いものがあるんだけど、
いざ殺すシーンになると淡々となる。そこがまた怖い。
エレベーターの銃撃戦とか、太ももに銃を撃つシーンとか、最後のマシンガンとか、待ってる女とか、そういえば冒頭のクレーンで沈めるシーンとか。
ひりひりする緊張感。それが日常との対比でさらにはっきりくっきり。
いい映画だと思いました。
デパーッテッドとかではエレベーターの中での暗殺というのはあったけど撃ち合いというのはない。
あれは生々しくてよかった。
逆にマシンガン乱射のシーンは、車のボディに反射光がちらちらする、あれがすごくいい。
画面とリアリティを共有しやすいので、映画の中の「痛み」が伝わってきやすい。
ストーリーはシンプルなんだなあ。不思議な映画だ。
どならなくても、そこにいるだけでひりひりする。
深い碇を静かに抱えて日常を生きてるやくざ、そんな存在感がたまらなくいい。
沖縄で静かに立ってる姿がすごく絵になってた。雰囲気のある俳優だなと改めて思った。
でも、このころって、彼は、オーディション俳優なんだよなあ。
まさか自分がはまるとは思わなかった。
映画を見る→衝撃を受ける→言葉にしようとしてみる→つまらないあらすじ→あれ?と思ってもう一度映画を見直す→やはり衝撃を受ける
以下繰り返し。
なんでこんな映像撮れるんだろう~
自分は映画監督の経験はないけど、テレビタレントとしてのキャリアは長い。
テレビは多くのカメラが自分を狙っていて、どこの立ち居地でどう動けば、どう見栄えするかみたいなことは常に考えている。
それを1台のカメラにしちゃったのが映画だと思えば、映画の撮影はむしろ簡単。
ということだった。
あと、映像というかイメージというか、そういうものがわーっと出てくるらしい。
言われてみれば、毒舌漫才のころの標語は結構ビジュアルだった。
たとえば「手を上げて、横断歩道で死んでいた」「赤信号、みんなでわたれば怖くない」のように。
状況が絵としてイメージしやすい内容になってる。
その後の北野映画の中でも観たかったなぁ
チャプターを見てちょっと驚いたんだけど、
エンドロールを除く9つのチャプターのうち、
真ん中の
4 ロシアンルーレット
5 紙相撲
6 落とし穴
7 花火
は、ゆるい日常を描いてる。
全体の半分だから結構長い。
でもぜんぜんそんな感じを受けなかった。
もちろん退屈もしなかった。
「ゆるい日常」のなかに強姦男を殺すシーンはさしはさまれるけど、概してゆるい。
緩めておいて繰り出すパンチはものすごく勢いがある。
それから「日常のゆるさ」の表現では、タケシ流の笑いがふんだんに盛り込まれてる。
ちょうど、風雲たけし城とか、元気の出るテレビで使われそうなギャグ。
フランスで、コメディアンとしてのタケシと映画監督としてのタケシの才能の両方を評価して
あわせ技一本で勲章をあげてたけど、この映画の弛緩部分に見るタケシ流の笑いをみると
沿うおいうっ評価の仕方って合理的だなと思う。
沖縄に行く前が好き
抱腹絶倒のコメディだね
感動して、HANA-BIを見た。
ソナチネより洗練されてる感じはしたけど、同時に商業的な手練手管に染まってる感じもした。
次に3-4X10月を見た。
めっちゃダサかった。しかもひとりよがり。
ソナチネは格段に進歩してる。
素人ぽさからの脱却、かつ、商業の世界にまみれてない、まさに稀有の作品。
商業レベルのいいところと「アマチュアリズム」のいいところを領土利してるこの作品は、ある意味最高峰。
一番好きなシーンだな。
シナリオ的には、武器の状態確認の意味。
映像的には、マシンガンで殴り込みをかけにいくに当たっての観客の心の準備。
映画的には、殺伐としたタケシの心象表現。
偶然かもしれないけど、ピッたしはまってる。
ブラザーには薄っぺらさを感じた。
実はソナチネもシナリオは薄っぺらなんだけど、
なぜかソナチネには薄っぺらさを感じない。
一般に受けるテーマとは思えない
才能に溢れてるから映画関係者は無視できなかったんだろうけど
たけしも金をとって見せる映画じゃないって言ってるけどほんとそう
高橋みたいなヤツ、たまにいるんだよなぁ。一番キライなタイプ。
自分が好きな台詞は、
おい、もうヤクザ辞めたくなったなぁ。
なんか、もう疲れたよ。。
「あんまり死ぬのが怖いと死にたくなっちゃうんだよ」
って台詞
よくこんな恐ろしい台詞が浮ぶもんだ
感心するより怖くなった
夏の深夜に必ず見たくなる。
話逸れるけど、、
邦画だと、さらば愛しき大地が色合いが一番スゴいと思う。本当に素晴らしい。
現実と幻想がごちゃ混ぜになってる感じがよく出てる。
沖縄の暑い熱気でくるまれてるなあって感じる。
ささやかな日常の卑しみたいなものが、うまくよくでてるって感心してた。
一緒に無邪気に遊んでいる女優の巣に近い笑顔も何気にいいし。
箱の中の狭さは観客の誰もが皮膚感覚で知ってるから、
その中での撃ち合いの逃げられない恐怖ってのは想像しやすい。
世界共通なんかなあ。あの中で急に名前呼ばれたらビックリするよね
狭い空間で銃撃戦ってこれも見方変えればコント的だよね
完璧な編集だ。
引用元: ・ソナチネ