前回の『ゴジラ』の知られざる誕生秘話part①に引き続き、日本が世界に誇る怪獣の王ゴジラにまつわる誕生秘話をご紹介します!
目次
6.円谷英二は当初、怪獣をタコにすることにこだわっていた?!
企画が立ち上がり制作上必要不可欠な特撮について、円谷英二に白羽の矢が立ちました。怪獣映画をいつかは取りたいと考えていた円谷英二はこの話を快諾……したかに思われましたが……、円谷は自分が長年温めていた“巨大タコ映画(詳しくはpart①をご覧ください)”にこだわっていました。そのため、「ゴジラのような恐竜よりも、海底に潜む不気味さを演出できるタコの方がいい!!」とタコを猛プッシュ。しかし、度重なる打ち合わせの結果、タコではインパクトが薄く、舞台が海だけに絞られてしまうという理由でゴジラが採用されました。円谷英二はタコへの未練からか、自身が手掛けた多数の作品(『キングコング対ゴジラ』、『フランケンシュタイン対地底怪獣』、『サンダ対ガイラ』、『ウルトラQ(大ダコ・スダール)』)に巨大ダコを登場させています。
7.ゴジラの原作を手掛けたのは探偵小説の作家?!
ゴジラの企画を立ち上げた田中友幸プロデューサーは、水爆をテーマとしたゴジラについて「いい加減な設定ではダメだ、しかし我々には専門的な知識が…」と考えあぐねていました。そして、彼は自分がファンだった探偵小説の作家香山滋にストーリーの制作を依頼。香山は自身の小説に好んで架空の生物を登場させていたこと、また、少年向けの作品を手掛けていて少年層から人気を博していることが起用の主な理由でした。
8.ゴジラの出生の歴史は人間と同じ?!
前述の香山滋による原作では“ゴジラと同種である恐竜は200万年前に全盛を極めていた”という設定があります。この設定は映画にもそのまま起用されていますが、恐竜の全盛期は一億数千年前のジュラ紀。この設定について香山滋は「二百万年前は人類の祖アウストラロピテクスが誕生した時期。つまり人類の歴史にゴジラをオーバーラップさせている。ゴジラは人間自身のことだ…。」と語っています。
9.山根博士は元々マッドサイエンティストの予定だった?!
原作を担当した香山滋は推理・怪奇作家江戸川乱歩の影響を強く受けていました。そのため、原作で登場した際の生物学者山根博士は、ゴジラに執着する、いかにも江戸川乱歩作品に登場しそうな狂気的な人間として描かれていました。しかし、あくまで山根博士をゴジラ・水爆の脅威に圧倒されながらも立ち向かう“生活感を感じられる普通の人間”として描きたかった制作陣は、前述の山根博士の設定を却下。そして、初代ゴジラで志村喬演じる山根博士は常識的な人物として描かれることとなりました。
まとめ!!
以上前回に引き続き4つのゴジラ誕生秘話をご紹介しました!
まさか探偵小説の作家が原作を担当していたとは……。初代ゴジラは山根博士のような細かい設定は変えられたものの、殆どの設定やストーリーは原作そのままだそうです。
多種多様な才能が集まってゴジラは完成されたんですね……、感慨深いです!原作は文庫で読めるようです!